韓国史上最悪の海洋汚染被害を出したタンカーの衝突事故から半年が過ぎました。流れ出た原油はほぼ除去できたものの、盛んだったカキの養殖は今も再開できていません。
去年12月、テアン沖の海上で香港船籍の大型タンカーとクレーン船が衝突しました。この事故で1万2500キロリットルもの原油が流出し、沿岸のカキやアワビの養殖場は壊滅的な被害を受けました。
事故から半年が過ぎた現在も油の除去作業は続いています。土にしみこんでしまった油を重機で掘り起こし、少しずつ布にしみ込ませて取り除いていく、大変人手がかかる作業です。これまでに122万人のボランティアが参加した成果で、原油が漂着した海岸線70キロのうち9割以上で作業が終わりました。海水浴場もほぼ元通りの状態になりました。
しかし、漁業への影響は今も深刻です。油まみれとなったカキの養殖場では、ようやく撤去作業が始まったものの、養殖を再開する見通しは全く立っていません。
「大変な被害で言葉になりませんよ」「(補償金も)もらえず、途方に暮れています」(カキ養殖業者)
不注意が招いた事故が深い爪痕を残しています。(13日09:44)