北朝鮮の金剛山(クムガンサン)で、韓国の女性観光客が射殺された事件は、撃たれた状況など「謎」が深まるばかりです。新たな目撃証言も飛び出し、遺族も「納得がいかない」と不信感をあらわにしています。
女性の遺体はソウル市内の病院に収容されました。司法解剖の結果、背後から2発狙撃されており、背中から胸に貫通した1発が致命傷になっています。
「妻は背が低いので、2メートルの鉄条網を越えて入ったことは納得できません」(死亡した女性の夫)
女性が早朝4時半にひとりでホテルを出て、“軍事保護施設区域”に入っていることや、北朝鮮軍の通報が発生から6時間もかかっていることなど、多くの謎が残っています。
また、「5時頃、10秒間隔で2発の銃声と悲鳴が聞こえた。森から飛び出してきた3人の兵士が女性の生死を確認するため、足で蹴っていた」との目撃談もあり、韓国の捜査当局も調べています。
11日、イ・ミョンバク大統領に一報が入ったのは、北朝鮮に対話を呼びかける演説の直前だったことが明らかになりました。情報は旅行会社を通じたもので、北朝鮮は韓国政府に一切接触していません。今の冷え切った南北関係を象徴しています。
今回の事件、北朝鮮との交流には常に危険が伴うとの印象を韓国国民に植え付けているようです。(12日17:36)