愛知県警は5日、金融機関で多額の現金を引き出そうとする高齢者に「預金小切手」の利用を勧める取り組みにより、高齢者の詐欺被害を未然に防いだと発表した。
県警生活安全総務課によると、5日午後2時ごろ、愛知銀行師勝支店(北名古屋市)の窓口で70代女性が現金200万円を引き出そうとした。女性行員が預金小切手の利用を勧めたが拒んだため県警西枇杷島署に通報。同署員の調べで詐欺と発覚した。女性は長男を名乗る男から電話があり「小切手を盗まれた。お金を用意できないか」などと言われていたという。
急増する詐欺被害に歯止めをかけるため、県警は金融機関に預金小切手を使った対策の強化を要請している。同課によると、名古屋銀行(104支店)と愛知銀行(96支店)が先月から、中京銀行(69支店)は今月2日から運用を開始した。
県内で小切手を推奨する金融機関は計37にのぼる。県警の担当者は「取り組みをさらに広げ、少しでも被害防止につなげたい」としている。