参院本会議で民進党の蓮舫代表の質問に答弁する安倍晋三首相=24日、岩下毅撮影
安倍晋三首相の施政方針演説に対する代表質問が24日、衆参両院の本会議で行われた。米国のトランプ新大統領が過激派組織「イスラム国」(IS)などテロ組織の壊滅を最優先課題と位置づけていることに関連し、安全保障関連法に基づく米軍支援の可能性を問われ、首相は「我が国は軍事作戦への参加や後方支援を行うことは全く考えていない」と述べた。
参院での民進党の蓮舫代表への答弁。蓮舫氏は安倍内閣が安保関連法で米軍への後方支援を拡大させてきたとして、「米国が今後、自衛隊の後方支援を求める事態も全く杞憂(きゆう)とは言い切れない」と指摘した。これに対し、首相はISに対する軍事作戦について「政策判断として参加しない」との従来の答弁を踏襲し、「あくまでも我が国が主体的に判断すべき事項で、トランプ政権にも十分説明していく」と語った。
トランプ氏が日本の負担増を示唆した在日米軍駐留経費については、「日米安保体制は日米いずれかのみが利益を享受する枠組みではない。駐留経費も日米間で適切な分担がはかられるべきものだ」と述べ、理解を求める考えを示した。
大破事故のあった米軍のオスプレイ空中給油訓練の再開について、共産党の志位和夫委員長は「安全より日米同盟を優先する恥ずべき態度」と追及。首相は「米軍だけの判断でなく、再発防止に有効な対策がとられていることから再開は理解できると述べた」と説明した。(南彰)