成年後見人として管理していた高齢者の預金を着服したとして、業務上横領罪に問われた弁護士渡辺直樹被告(59)の判決が10日、名古屋地裁であった。小野寺健太裁判官は「弁護士や専門職成年後見人の信頼を失墜させる犯行だ」と述べ、懲役2年4カ月(求刑同4年)を言い渡した。
高齢者から着服、弁護士に懲役4年求刑 名古屋地裁
判決によると、渡辺被告は2013年12月~15年7月、愛知県内の70代男性の銀行口座などから計1828万円を着服した。
小野寺裁判官は、渡辺被告が別の依頼人からの業務を怠り、それを取り繕うために横領に及んだと指摘した。また01年にも遺言執行者として預かった金を着服し、業務停止処分を受けていることを挙げ、「一層厳しい非難は免れない」と述べた。
弁護側は「愛知県弁護士会に退会届を出し、被害金は全額返済した」として執行猶予付き判決を求めていた。