日銀の森本宜久審議委員は9日、千葉市内で開いた金融経済懇談会で講演し、国内景気について「基調的に緩やかな回復を続けており、消費税率引き上げに伴う、駆け込み需要の反動などの影響も全体として和らいでいる」と述べた。
日銀が進める「量的・質的金融緩和」については、「着実に実行され、所期の効果を発揮している」とし、「景気の前向きな循環メカニズムは維持されている」との認識を示した。
原油価格の下落については「交易条件の改善を通じて、やや長い目で見れば経済活動へ好影響を与える」と指摘。物価面への影響も「当面の間、前年比プラス幅を縮小する」ものの、「前年比で見た影響はいずれ剥落する性質のもので次第に上昇率を高めていく」とした。
日銀が掲げる物価安定目標の達成については「需給ギャップや予想物価上昇率、賃金などの動向を点検しながら捉えていく必要がある」としつつも、「見通し期間の中ごろである2015年度を中心とする期間に2%程度に達する可能性が高い」との考えを示した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕