世界貿易機関(WTO)が発表した最新の「物品貿易バロメーター」によると、グローバル物品貿易景気指数は100.7となり、8月の84.5から大幅に上昇した。「北京日報」が伝えた。
WTOは、「これまで抑制されていた市場の需要が完全に開放され、企業のストック補充が終わるのにともない、第4四半期(10-12月)のグローバル物品貿易は増加率が鈍化する可能性がある」と予想している。
WTOは同日に発表した報告書で、「輸出の受注の急速な伸びに牽引されて、今年第3四半期(7-9月)のグローバル物品貿易は力強く回復したが、今後もこの勢いが続くかどうかには不確定性が存在する」との見方を示した。
同報告書によれば、グローバル物品貿易景気指数は100.7に達し、8月の84.5に比べて大幅に上昇した。
WTOは、「新型コロナウイルス感染症対策のため、第2四半期(4-6月)には各地で封鎖措置や渡航制限措置が取られ、世界の貿易と生産が大幅に減少した。感染症予防・抑制措置が緩和されるにつれ、第3四半期のグローバル物品貿易は力強く回復した。しかしこれまで抑制されていた市場の需要が完全に開放され、企業のストック補充が終わるのにともない、第4四半期のグローバル物品貿易は増加率が鈍化する可能性がある」とした。
またWTOは、「現在、グローバル貿易情勢には高度な不確定性が引き続き存在する。欧州と北米地域の感染状況のぶり返しにともなって、多くの国で再び封鎖措置が取られており、新たな企業倒産の波や資金調達難を引き起こす可能性がある」と強調した。
WTOは10月の予測で、「今年のグローバル物品貿易量は9.2%減少するだろう。来年は7.2%増加する見込みだが、貿易の規模は感染症前の水準にはるかに及ばない」としていた。
グローバル物品貿易景気指数の算出ルールでは、100が基準点となっている。ある四半期の指数が100だった場合、それはグローバル物品貿易の伸びが中期的な情勢予測と一致したことを意味する。100を超えればグローバル物品貿易の伸びが予想を上回ったことを意味し、反対に100に届かなければ予想を下回ったことになる。
WTOは16年7月に初めてグローバル貿易景気指数を発表。主要エコノミーの貿易統計データ収集を通じて、当面のグローバル貿易の短期的な発展情勢に早めのシグナルを送り、貿易政策の策定者とビジネス界によりタイムリーな国際貿易情報を提供している。
またWTOは19年9月から、それまでのグローバル貿易景気指数報告に代わるものとして、「物品貿易バロメーター」と「サービス貿易バロメーター」を発表するようになった。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年11月27日