【北京=大越匡洋】中国国家統計局は10日、1月の消費者物価指数(CPI)が前年同月に比べ0.8%上昇したと発表した。中国のCPIが1%を下回るのは2009年11月以来、5年2カ月ぶり。卸売物価指数も4.3%下落と下落幅が6カ月連続で拡大し、5年3カ月ぶりの落ち込みとなった。中国の景気が減速し、需要が鈍っていることが鮮明になった。
1月のCPIは1.5%上昇した昨年12月から大きく鈍った。全体の3割を占める食品の価格は1.1%上昇、食品以外は0.6%上昇といずれも低い伸びにとどまった。国家統計局は「気温が例年より高く、生鮮野菜の価格が下がった」などと分析した。
卸売物価指数は1月まで35カ月連続で前年水準を下回った。1月の下落幅は12年3月に始まった下落局面の中で最大だ。企業間取引の冷え込みに加え、原油など国際商品価格の下落も響いた。
中国の14年通年のCPIは5年ぶりの低い伸びで、15年も低物価の傾向が続いている。中国人民銀行(中央銀行)は5日に追加金融緩和に踏み切ったが、景気の下支えに向けて一段の施策を求める声が強まりそうだ。