自然資源部(省)国家海洋情報センターはこのほど、海洋観測ネットワーク及び関連データに基づき「中国気候変動海洋青書(2020)」を作成し、世界範囲の海域と中国近海の重要海洋要素の最新モニタリング情報を発表した。中央テレビニュースが伝えた。
同青書によると、世界平均の海面水温は1870−2019年に明らかな上昇傾向を示した。過去10年(2010−19年)の平均値は1870年以降のどの10年間よりも高く、2019年は例年(1981−2010年、以下同)を0.27度上回った。
世界の1993−2019年の平均海面上昇ペースは約年間3.2ミリメートル。世界の2019年の平均海面は前年を8.5ミリメートル上回り、衛星観測による記録開始以来で最高値となった。
1979−2019年に北極の海氷範囲が明らかな縮小傾向を示し、3月の縮小ペースは年間で約4万平方キロメートル、9月は8万平方キロメートルとなった。南極の海氷範囲の変化は全体的に見てそれほど顕著ではないが、2016年以降は海氷範囲が持続的に縮小した。
同青書によると、1980−2019年の中国沿海の海面水温は10年毎に平均0.25度上昇した。うち2015−19年は5年連続で高い数値を維持した。
1980−2019年に中国沿海の海面が加速的に上昇する傾向を示し、年間3.4ミリメートルのペースとなった。2019年の中国沿海の海面は1993−2011年の平均値と比べ72ミリメートル上昇し、1980年以降で3番目に高い数値となった。中国沿海の平均過去最高潮位と大潮差は全体的に上昇傾向を示した。うち杭州湾沿海の上昇ペースが最も高かった。
同青書は、中国近海は季節風が最も顕著な気候帯に位置し、東アジアの季節風、亜熱帯高気圧、中・高緯度大気振動などの変化が、中国近海の海洋要素の変化に重要な影響を及ぼすと指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年12月31日