■タイ・エアアジアX(タイの格安航空会社=LCC) バンコクから新千歳空港への直行便を5月1日に就航する。LCCの同路線参入は初めて。週7日で往復便を運航する。期間限定のキャンペーン価格は片道9990円から。
バンコクで10日に記者会見したナダ・ブラナシリ最高経営責任者(CEO)は「雪や桜、ラベンダーなどの自然が楽しめる北海道はタイ人にとって憧れの地」と話した。個人旅行で日本を訪れる若い旅行者を取り込みたい考えで、2015年には同路線で乗客15万人、搭乗率80%を目指す。
キャンペーン価格での予約は15日までで、5月1日から来年の3月26日までに発着する便が対象だ。キャンペーン後は既存の航空会社と比べて2~3割安い運賃を提供する。
13年夏の観光ビザの緩和を受けて、日本に訪れるタイ人は急増している。日本政府観光局(JNTO)によると14年は前年比45%増となる65万人が訪れた。北海道は東京、大阪に次ぐ3番目に人気の観光地だった。
JNTOバンコク事務所の伊東和宏所長は、LCCの参入がタイ人観光客の急速な伸びを後押ししていると分析する。
タイ・エアアジアXは昨年9月からバンコク―東京、バンコク―大阪の運航を始めており、今春に増便する計画だ。オーストラリアのジェットスター航空はバンコク―福岡を運航。タイのLCC大手ノック・エアとシンガポールのスクートの合弁会社であるノックスクートが年内にも定期便を就航する予定で、競争が激化しそうだ。(バンコク=小野由香子)