日銀が12日発表した1月の国内企業物価指数(2010年平均=100、速報値)は103.3で、前年同月比0.3%上昇した。消費税率引き上げの影響を除くと前年同月比2.4%の下落となり、3カ月連続で下落。下げ幅は09年12月(3.8%下落)以来、約5年ぶりの大きさとなった。原油安の影響で石油関連の価格が下落したことが影響した。
前月比では1.3%の下落だった。原油価格の下落が要因で、石油・石炭製品や化学製品の価格が大きく下がったことが影響した。食料品などの値上げの動きが出ているものの、物価全体に与える影響は限定的だ。
足元では原油価格は下げ止まりの兆しを見せている。ただ、今後の企業物価の見通しについて日銀は「原油安の影響は時間差を伴って物価に影響するため、しばらくは前月比の物価の押し下げ要因となる」(調査統計局)と見ている。
企業物価指数は企業同士で売買するモノの価格動向を示す。公表している814品目のうち、前年同月比で上昇したのは356品目、下落は375品目となり、13年8月以来17カ月ぶりに下落品目が上昇品目を上回った。原油安に加えて、前年に活発だった円安による価格転嫁の動きが一巡していることや、国際的な需要の弱さから非鉄金属の価格が下落していることなどが影響した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕