【イスタンブール=花房良祐】ギリシャの1月の税収額が計画を23%下回ったことが明らかになった。同月25日の総選挙で反緊縮財政派の急進左派連合の優勢が伝えられていたため、納税をためらう市民が増えたようだ。財務省統計によると、同月の税収は34億9000万ユーロ(約4740億円)で、計画の45億ユーロを約10億ユーロ下回った。ロイター通信が報じた。
急進左派は選挙期間中は野党で、欧州連合(EU)などから課せられた緊縮財政の見直しを主張。サマラス前政権は歳入を確保するために固定資産税を導入したほか、消費税など既存の税率を増税した。一方、急進左派の新政権になれば納税額が減るとの期待が有権者の間で高まった。
税収が減れば緊縮緩和に向けて交渉する新政権の資金繰りはさらに苦しくなり、緊縮財政の断行を求めるドイツなどに足元をみられる可能性もある。ギリシャのマルダス財務副大臣はロイター通信に「数カ月以内に(未納の税金を)徴収できる」との見方を示す一方、別の財務省幹部は「新政権の(緊縮財政の緩和の)政策を遂行するためにも、1~2月分の固定資産税を納税してほしい」と市民に呼びかけている。