■ABS―CBN(フィリピン最大のテレビ局) 11日夜から日本方式の地上デジタル放送を始めた。デジタル放送のインフラ設備に既に30億ペソ(約80億円)を投資。同国がアナログからデジタル放送へ移行する契機になりそうだ。
フィリピン政府は「ISDB-T」と呼ばれる日本の地上デジタルテレビ放送の技術方式を採用、運用細則を2カ月かけて作り、放送開始にこぎ着けた。フィリピンでは3大放送局が市場を独占している。競合するGMAネットワークとTV5の2社は準備中であるものの、デジタル放送にはまだ対応していない。ABS-CBNはデジタル放送の浸透で、広告収入を増やせると期待している。
フィリピンの地上デジタル放送を巡っては、欧州と日本がそれぞれの方式の採用を同国に働きかけていたが、アキノ大統領は2014年に日本式の採用を決定した。(マニラ=クリフ・ベンゾン)