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車・電機、ベア昨年超えへ 日産は満額回答の公算

作者:佚名  来源:nikkei.com   更新:2015-2-19 8:32:17  点击:  切换到繁體中文

 

2015年春の労使交渉で、労働組合の給与水準を底上げするベースアップ(ベア)要求に対して、自動車各社は昨年実績を上回る回答をする見通しだ。日産自動車はベアに相当する月6千円の賃金改善要求に満額回答する公算。自動車と同様に業績が堅調な電機も昨年実績を上回る可能性が高い。交渉をリードする両業界の大手企業の姿勢を受けて、中小や地方にどこまで波及するかが焦点だ。



 


日産に加え、トヨタ自動車など自動車大手の労働組合が18日、一斉に月6千円相当の賃上げを求める要求書を提出した。各労組が高水準のベアを統一要求するのは2000年以降で初めて。東芝とNECの労組も同日、月6千円の賃金改善を求めて交渉に入った。


日産は成果主義に基づく独自の賃金体系を採用している。労組は経営側に昇給原資となる1人あたり月1万2千円の賃金改定原資(うちベア相当の賃金改善は6千円)と年間一時金5.7カ月分を要求した。


経営側はベア相当6千円を含む1人あたり賃金改定原資に加え、一時金についても満額回答する公算が大きい。満額回答すれば2年連続となる。日産は世界での販売が増え、15年3月期の連結売上高が過去最高を更新する見通しだ。円高の是正で収益環境も好転している。


トヨタ自動車など他の自動車メーカーも6年ぶりのベア実施となった昨年の実績を上回る回答となる見通しだ。電機でも昨年実績(月2千円のベア)が交渉の出発点となる公算だ。自動車や電機の労使の間では「前年実績を超えるのは最低ライン」(労組関係者)との見方が強い。



 


消費増税後の回復が遅れている消費を下支えするには、中小企業や地方にも賃上げが広がることが必要だ。トヨタ系の部品メーカー労組などで構成する全トヨタ労働組合連合会によると、集計した製造系の121組合全てが6千円以上のベアを要求した。全組合による統一要求は初めてだ。


自動車関連の労組でつくる自動車総連の相原康伸会長は18日の記者会見で「中小企業への広がりは今年の最重要課題だ」と強調した。トヨタなど各社が部品の調達価格の引き下げ要求を緩和する動きも出ている。好業績を部品会社の賃上げに波及させる狙いがある。


ただ、日本商工会議所の三村明夫会頭は同日の記者会見で「地方や小規模企業であればあるほど景況感は改善していない。取引価格に配慮する動きは歓迎するが、全般に広がっているわけではない」と、慎重な見方を示す。電機も海外生産が多いため、国内の中小企業に恩恵は広がりにくい。


物価の影響を除いた実質賃金は14年12月まで18カ月連続のマイナスで、個人消費の重しとなっている。安倍晋三政権は景気の回復には実質賃金が前年を上回ることが必要だとしており、ベアの行方が重要な意味をもつ。



 

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