米カリフォルニア大学ロサンゼルス校がこのほど発表した情報によると、同大学の最新の研究により、同大学の医療機関で受診した咳や急性呼吸不全の症状を持つ患者の割合が、昨年12月下旬より例年と比べ50%増加していたことが分かった。彼らは、米政府が初の感染者を確認する前から、新型コロナウイルスがすでにロサンゼルスで拡散していたと推測した。最新の研究が採用した関連分析方法は、今後生じうる新たな感染症の識別・追跡に役立つ可能性があるという。科技日報が伝えた。
最新の研究では、同大学とワシントン大学の研究者は、昨年12月1日から今年2月29日までのカリフォルニア大学ロサンゼルス校の医療機関における1000万件以上の患者の電子健康記録を評価するとともに、過去5年間の同時期の記録と比較した。これらの記録は外来、急診、入院から得られたものだ。
その結果、昨年12月1日から今年2月29日にかけて、咳による外来患者の割合が大幅に増加し、過去5年間の同期の平均水準を50%超上回っており、患者数にすると例年より1000人以上増えた計算になる。また急診から報告された咳の患者、入院から報告された急性呼吸不全の患者の割合も過去5年より明らかに増加していた。患者数の変化や季節の変化といった要素を考慮しても、患者数の異常増加の傾向が確認できる。
研究者によると、これは米国で新型コロナウイルスの臨床上の認識及び検査能力が備わる前に、米国で市中感染が発生していた可能性を意味する。
米疾病予防管理センター(CDC)は1月21日に米国初の感染者を報告し、2月26日に初の感染経路不明の感染者を報告した。これは米国の市中感染の証拠とされた。
しかし研究者は、「咳」というキーワードのみで外来の記録を検索するのは正確性に欠ける可能性があり、電子タバコ(2019年9月以降、米国人の電子タバコの使用が大幅に減少している)やインフルエンザなどその他の原因によって患者数が増加した可能性もあるとした。
論文の筆者の一人で、カリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部のジョアン・エルモア教授は、「これらの増加した患者が、ロサンゼルスで当時発見されていなかった新型コロナウイルスの患者であると証明することは永遠に不可能かもしれない。最新の研究も、電子健康記録を分析し、患者たちの異常な変化をモニタリングし、迅速に識別する重要性を証明している。このほか、最新の研究は入院データだけでなく、外来データにも注目している。関連分析方法は、今後生じうる新たな感染症の識別・追跡に役立つ可能性がある」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年9月15日