【ワシントン=共同】アーネスト米大統領報道官は18日の記者会見で、イラン核問題の包括解決を目指す欧米など6カ国とイランの協議をめぐり、イスラエルが不正確な情報を流しているとして公然と非難した。
イラン核問題について交渉を通じた解決を目指すオバマ大統領と、強硬な対応を主張するイスラエルのネタニヤフ首相の間の亀裂は深まっており、関係悪化はさらに進みそうだ。
アーネスト氏は「特定の情報だけをえり好みして拾い上げ、米国の立場をゆがめるために使う行為」への懸念を表明。米国はイランに核兵器を持たせないために交渉していると強調し「米政府の交渉方針をめぐりイスラエルが言っていることの中には不正確なものがある」と明言した。
米国務省のサキ報道官も同日の会見で、イラン核問題についてイスラエルと緊密に協議しているとしながらも、一部の機微に触れる情報は伝えていないことを明らかにし、漏えいを警戒していることをうかがわせた。
ネタニヤフ氏は、米共和党のベイナー下院議長の招きを受け、3月3日に米議会でイラン核問題をめぐり演説する予定。オバマ政権は頭越しの“共闘”に反発し、訪米中の会談に応じない方針を明らかにしている。