田辺三菱製薬は25日、国内に3カ所ある創薬研究拠点を2カ所に集約すると発表した。2016年3月末をメドに千葉県木更津市にある「かずさ事業所」を閉鎖し、埼玉県戸田市と横浜市にある事業所に集約する。従業員約100人は配置転換で対応する。後発医薬品の普及など医薬品業界の環境変化が厳しくなるなか、拠点の集約で研究活動の効率を高め、創薬のスピードを上げる。
かずさ事業所は主に薬物が体内でどのように変化、移動するかを調べる試験や安全性の試験などを行う。今回、薬物の動態試験の研究を横浜事業所(横浜市)に、安全性試験の研究を戸田事業所(埼玉県戸田市)に移す。かずさ事業所の閉鎖で、維持費などで7億~8億円程度のコスト削減を見込む。跡地は売却するなど今後検討していく。
同社は国内5工場を2工場に集約するなど組織再編を進めている。同社の三津家正之社長は「再編でコストダウンも見込めるが、一番の要因は研究開発のスピードアップだ」と話した。