総務省が27日発表した1月の全国消費者物価指数(2010年=100)は生鮮食品を除く指数が102.6と、前年同月に比べ2.2%上がった。20カ月連続の上昇だが、ガソリンの値下がりなどで伸び率は6カ月続けて前月を下回った。1月の消費支出は前年同月を5.1%下回り、消費の弱さも一部の物価を抑えている。
1月の消費者物価の上昇率は前月に比べて0.3ポイント小さくなった。消費税が上乗せされた分を除くと0.2%の上昇と、13年5月(0.0%)の水準まで下がった。
輸入する原油の値下がりが物価の伸びが鈍った主因だ。ガソリンは前年比11.1%、灯油は15.3%のそれぞれ値下がりで、この2品目が物価を0.4ポイント押し下げた。
生鮮食品を除く食料は一部の品目で値上げが続き、前年比3.9%上昇した。一方、家電などの家庭用耐久財は0.5%の下落で、14カ月ぶりの値下がりになった。「ルームエアコンなどで新製品の売れ行きが鈍い」(総務省)という。
東京都区部の2月中旬速報値は101.3で、前年同月比2.2%の上昇で、上昇率は前月と同じだった。ただ、東京都区部は消費に占めるガソリンの比率が全国の3分の1にとどまる。全国の2月の消費者物価は前年同月比でガソリンが大きく値下がりし、物価の伸びはさらに鈍りそうだ。
総務省が同日発表した1月の家計調査によると、2人以上世帯の1世帯あたりの消費支出は28万9847円と、物価の動きを除いた実質で前年同月に比べて5.1%減った。15.9%減った「被服及び履物」などが振るわなかった。季節要因をならした1月の実質消費は前月より0.3%減り、5カ月ぶりに前月を下回った。