J・フロントリテイリング(3086)が2日発表した百貨店事業の2月の売上高(速報、既存店ベース)は、前年同月比1.6%増だった。前年実績を6カ月ぶりに上回った。中国の春節(旧正月)を祝う大型連休(18~24日)に伴い訪日外国人の来店が大幅に増加。訪日客向けの売り上げが前年の4.4倍と大きく伸び、けん引した。富裕層の消費も好調だった。大丸松坂屋百貨店合計では2.5%増。消費増税のあった2014年4月以降、伸び幅は最も大きかった。
部門別では美術・呉服・宝飾といった高額品が18.1%増だった。特に時計が30.6%増と大きく伸びた。けん引役は訪日外国人の旺盛な需要。時計の売り上げのうち2割を訪日客向けが占めた。「80~90万円の海外高級ブランドの腕時計を自分用に購入するなどの姿が目立った」(同社)という。富裕層向けの売上げも6%増と、8カ月連続で前年を上回り堅調に推移した。
店舗別では東京店が10カ月連続、梅田店が8カ月連続、心斎橋店が2カ月連続のプラスとなるなど、大都市圏が好調に推移した。
大丸松坂屋全体の売り上げに占める訪日外国人向けの売り上げのシェアは6%だった。前年同月(1.4%)に比べ、4.6ポイント上昇した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕