4日午前の東京外国為替市場で円相場は続伸した。12時時点では1ドル=119円59~62銭近辺と前日17時時点に比べ19銭の円高・ドル安水準で推移している。前日のニューヨーク市場で米株安を背景に円買い・ドル売りが入った流れを引き継いで始まった。日経平均株価の軟調な推移を受けて低リスク通貨とされる円の買いが優勢になり、10時すぎに119円50銭近辺とこの日の高値を付けた。
もっとも円の上値は限られた。米金利が上昇し、日米金利差が拡大するとの見方から円売り・ドル買いが出た。市場では「新たな取引材料が乏しく、午前の商いは低調だった」(国内銀行)との指摘があった。
米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は日本時間4日午前、ニューヨークで「銀行規制と監督」について講演し、金融システムの安定に向け「大手金融機関の効果的な監督がFRBの最も重要な責務の一つだ」との認識を示した。ただ、金融政策や米景気に関する踏み込んだ発言はなく、相場の反応はみられなかった。
9~12時の円の安値は119円69銭近辺で、値幅は19銭程度だった。
円は対ユーロで反発した。12時時点では1ユーロ=133円65~68銭近辺と同54銭の円高・ユーロ安水準で推移している。円が対ドルで上昇すると、円の対ユーロ相場も買いが優勢になった。
ユーロは対ドルで反落した。12時時点では1ユーロ=1.1174~77ドル近辺と同0.0029ドルのユーロ安・ドル高水準で推移している。前日の海外市場で持ち高調整のユーロ売り・ドル買いが進んだ流れを引き継いだ。ただ新規の売買材料は乏しく、小幅な値動きに終始した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕