【ニューヨーク=佐藤大和】米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は3日、金融監督をテーマにニューヨークで講演し、米国発の金融危機の再来を防ぐため米国で活動する内外の大手金融機関の「監視を引き続き徹底していく」と述べた。金融機関の健全性を高めるため、場合によっては「資本を減らす自社株買いや増配を制限する」との考えも強調した。
イエレン氏はFRBであらゆる主要ポストを歴任した生え抜き。2008年秋のリーマン・ブラザーズ破綻が世界的な危機に発展したことについては「我々は木(個別金融機関)をみて森(金融システム)を見ていなかった」と自己批判。反省を踏まえた対策として(1)銀行の資本強化(2)流動性の積み増し(3)他に影響を及ばさない円滑な破綻処理策の策定――などを列挙した。
このうち「最も重要」という銀行の資本強化策に関してFRBは、内外金融機関を対象にしたストレステスト(特別検査)の結果を5日、資本計画の承認の是非を11日に公表する。昨年は米シティグループなどが承認されず、予定した株主還元を差し止められた。