11日午前の東京外国為替市場で円相場は上げ幅を縮小している。10時時点は1ドル=121円20~23銭近辺と前日17時時点に比べ58銭の円高・ドル安水準で推移している。前日の米株相場は大幅に下落したが、きょうの日本株は朝安後に持ち直しており、投資家のリスク回避姿勢が和らぎ円買い基調が弱まっている。
10時前の中値決済については「ドルがやや不足している」との観測があった。国内輸入企業による円売り・ドル買いが強まるとの見方も円相場の一段の上昇を抑え、9時45分前には一時121円28銭近辺を付けた。
朝方は、前日の欧米市場で長期債利回りが軒並み低下(債券価格は上昇)したことに加え、日本株が下落するとの見通しから円買い・ドル売りが強く、8時30分すぎには120円85銭近辺まで円が上昇していた。
円は対ユーロでも上げ幅を縮小した。10時時点では1ユーロ=129円73~78銭近辺と同1円82銭の円高・ユーロ安で推移している。欧州中央銀行(ECB)による国債買い入れ開始が朝方の円買い・ユーロ売り材料となったが、約1年半ぶりの円高・ユーロ安水準とあってユーロの買い戻しがあるようだ。
ユーロは対ドルで大幅に続落して始まったあと、値動きが乏しい。10時時点では1ユーロ=1.0702~05ドル近辺と同0.0100ドルのユーロ安・ドル高水準で推移している。〔日経QUICKニュース(NQN)〕