日本航空は2015年の春季労使交渉で、賃金を底上げするベースアップ(ベア)を14年ぶりに実施する。地上職や客室乗務員らでつくる最大労組の「JAL労働組合」が1%相当のベアを要求したのに対し、会社側は全社員に一律2000円のベアを行うと回答した。要求水準には届いていないが、同労組は受け入れる方針で、ベア実施は01年以来となる。
夏季一時金についてはJAL労組が示していた2.3カ月の要求に満額回答した。年末一時金については2.4カ月を要求しており、別途回答する。同労組は契約社員についても20円の時給引き上げを求めていたのに対し、会社側は14円の引き上げを回答した。
日航は10年の経営破綻後に人員削減に加え約2割の賃下げを実施している。人件費の抑制などによって業績は回復基調が続いており、15年3月期の連結営業利益は1670億円となる見込み。
15年の春季労使交渉では、営業利益率10%以上などの数値目標を掲げる16年度までの中期経営計画の達成が視野に入ったことから、待遇改善によって社員らに報いるという。
全日本空輸の最大労組である「ANA労働組合」も15年の春季労使交渉で3500円のベアを要求している。