日本からの輸出先として米国の存在感が増している。財務省が18日公表した2月の貿易統計では、輸出額は前年同月比2.4%増えた。6カ月連続の増加で、14.3%伸びた米国向けがけん引した。米国向け輸出額が全体に占める割合は20.5%で、前年同月の18.3%からじわり上昇している。アジアは東南アジア諸国連合(ASEAN)が堅調な一方、中国向け輸出額は17.3%減だった。
輸出額から輸入額を差し引いた2月の貿易収支は4245億円の赤字で、赤字額は前年同月から47.3%減った。輸出額が伸びた一方、原油安で輸入額は3.6%減った。
輸出額を国・地域別にみると、米国向けは6カ月連続で増加した。けん引したのは自動車だ。金額で18.7%増、数量ベースで5.1%増えた。輸出全体の数量も1.9%増と3カ月続けて増えた。
一方、中国向けは輸出が鈍っている。2月の輸出額の大幅減は、春節(旧正月)前の1月に急増した反動という要因はあるものの、1~2月を平均した輸出額は前年同期より0.3%少ない。全体に占める割合は15.0%で、2014年年間のシェアである18.3%から下がっている。
BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「1~3月の米国の景気は悪天候などでやや低調だが、大幅な原油安で4月以降は成長ペースは高まり、日本からの輸出も回復基調が続く」とみる。