東日本大震災の津波で大きな被害を受けたJR石巻線(小牛田―女川間、44.7キロ)が21日、震災から4年ぶりに全線で運転を再開した。不通区間として残っていた宮城県女川町の浦宿―女川間(2.3キロ)が復旧し、再建した女川駅も開業した。女川町は同日を「まちびらき」の日とし同駅前で記念式典を開いた。
JR石巻線女川駅が開業し、乗客らでにぎわうホーム(21日、宮城県女川町)
同日は晴天に恵まれ、式典には竹下亘復興相や宮城県の村井嘉浩知事ら国や自治体の関係者約200人が出席した。地元住民らも含めると総勢約2300人に上り、駅前の広場は参加者で埋め尽くされた。
女川町の須田善明町長は「震災から4年を経て、ようやくここまでたどり着けた。日本全国、世界からいただいた支援のおかげだ」とあいさつした。式典後の列車出発式では、地元の小学生を乗せた列車が多くの町民らに見守られながら、隣の浦宿駅に向かった。
式典に参加した町内の仮設住宅に住む主婦、松川八千江さん(76)は「新しい女川駅ができて幸せ。今日買った切符は一生の宝物にしたい」と涙を浮かべながら話した。
女川駅に併設した温浴施設「ゆぽっぽ」が22日に開業し、5月には駅周辺に水産業体験館もオープンする。駅から女川湾に一直線につながる遊歩道も年内に完成し、沿道には商業施設が相次ぎ開業する予定だ。