神戸市で1997年に起きた連続児童殺傷事件で、亡くなった小学4年、山下彩花ちゃん(当時10)の遺族が、命日となる23日までに取材に応じ、当時14歳だった加害男性(32)から手紙が届いたと明らかにした。2007年以降毎年届いており、今年で11通目。
彩花ちゃんの母、京子さん(59)は手紙の詳しい内容を明らかにしていないが、事件当日の出来事を断片的に書いた記述があるという。京子さんは「自分が犯した罪の重さに打ちのめされている様子が伝わってきた。今回ほど深く事件を見つめている内容は初めて」と話した。
手紙はB5判の紙8枚と例年より多く、パソコン書きだった。3月14日に弁護士を通じて届いた。加害男性の住所や職業は山下さん家族には伝わっていない。
手紙では、京子さんが事件後に彩花ちゃんへの思いをつづった本の内容に触れており、何度も読み込んでいる様子がうかがえたという。
京子さんは「少年犯罪はあちこちで起きて、加害男性を崇拝する声もある。彼の生の声が社会に伝われば、罪の意識にさいなまれている普通の人だと分かり、事件を起こそうとしている人への抑止力になるかもしれない」と思いを語った。〔共同〕