外務省は26日、一方の親に国境を越えて連れ去られた子供の扱いを定めたハーグ条約に関し、2014年4月の日本の加盟から約1年間の状況を発表した。子供の返還に関する同省への援助申請は計41件。うち海外から日本に連れ去られた3件、日本から海外に連れ去られた4件の計7件で返還が実現した。
ハーグ条約は一方の親が了解なく16歳未満の子供を国外に連れ去った場合、子供を原則として元の居住国へ戻すよう定めている。外務省によると、7件とは別に、英国と香港の当局への援助申請で、日本への子供の返還が2件実現したという。
外務省での返還に関する援助申請のうち、外国から日本への連れ去りが25件で、国別では米国とフランスからの各3件が最多だった。フランス、ドイツ、カナダに対する返還が実現した。日本から外国への連れ去りについての申請は16件あり、米国、スイス、スペイン、ドイツからの日本への子供の返還が実現した。
子供との面会交流の援助申請は計69件。外国から日本への連れ去りで55件あり、米国からが33件を占めた。日本から外国への連れ去りでは14件の申請があった。子供の元の国への長期渡航やビデオ通話など、ほぼ全ての事案で両親間の仲介が実現しているという。