第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は12日、2次リーグE組が開幕する。4カ国総当たりのリーグ戦方式。1次リーグB組を3戦全勝の1位で通過した野球日本代表「侍ジャパン」は、初戦でA組2位のオランダとぶつかる。日本の先発は石川(ロッテ)、オランダの先発はバンデンハーク(ソフトバンク)。11日は各チームが東京ドームで練習した。
2017WBC特集
日本にとって初戦のオランダ戦が、いきなりの山場となる。一流大リーガーがそろった相手と戦うのは、今大会初めてだ。
オランダ打線は4番バレンティン(ヤクルト)をのぞき1~6番が大リーガー。3番ボガーツ(レッドソックス)、5番J・スコープ(オリオールズ)、6番グレゴリウス(ヤンキース)は、昨季20本塁打以上を放っている。
日本の先発を任される石川は、打者の手元で落ちるシンカーが武器。緩いカーブもあり、捕手の小林(巨人)が強打をかわすようなリードをしたい。第1回大会で正捕手だった里崎智也氏は「相手選手の経歴や数字は知らないほうが大胆に攻められる。僕は大リーグに詳しくなかったのがよかった」と話す。
2次リーグからは球数制限が80球に増えるため、石川には最低5回を投げることが期待される。リードすれば千賀(ソフトバンク)らを挟み、抑えの牧田(西武)につなぎたい。
相手先発のバンデンハークから大量点は難しい。小技と機動力を絡め、打者は追い込まれたら粘って球数を投げさせるなど、しつこい攻めが必要だ。(伊藤雅哉)
■侍J、筒香・中田が鋭い打球
日本代表はフリー打撃を中心に練習を行い、12日のオランダ戦に備えた。1次リーグで本塁打を2本ずつ放った筒香(D)、中田(日)の中軸は鋭い打球を飛ばし、好調を維持している様子。4番を担う筒香は「オランダは打撃がいいチームと聞いている。打ち合いになっても負けないようにしたい」と意気込んだ。
■経験積んだオランダ、リラックス
オランダは打撃練習でバレンティン(ヤクルト)らが飛距離を競い合うなど、リラックスした雰囲気だった。4年前の前回大会は4強。当時は若かったメンバーが経験を積んだ印象だ。昨季は大リーグのオリオールズで25本塁打のJ・スコープは「最初の試合に勝てば余裕が生まれる。決勝のつもりで戦う」と語った。
■イスラエル、投手に自信
イスラエルは3戦全勝だった1次リーグから2投手を入れ替えた。不気味なのが右腕のゴールドバーグだ。大リーグ・ホワイトソックスの春季キャンプで4試合に救援登板し無失点、1セーブと好調だった。ウェインスタイン監督は「タイプの違う投手がそろった。相手打者を苦しめられる」と自信を見せた。
■キューバ、速さ生かせるか
キューバは、A組を首位で突破したイスラエルとの一戦を前に、軽めの調整だった。1次リーグでは、グラシアルが三つの盗塁を記録するなど、機動力を絡めた攻撃を展開した。この日、走塁練習で汗を流したグラシアルは「このチームの特徴はスピード。どこが相手でも、パワーだけでなく速さも生かしたい」。
■2次リーグE組の日程
12日12:00 キューバ(B組2位)―イスラエル(A組1位)
19:00 日本(B組1位)―オランダ(A組2位)
13日19:00 イスラエル―オランダ
14日19:00 日本―キューバ
15日12:00 オランダ―キューバ
19:00 日本―イスラエル
※上位2チームが決勝ラウンドへ。3チームの勝敗が並んだ場合はプレーオフ