兵庫県洲本市(淡路島)の5人刺殺事件で、無職、平野達彦容疑者(40)=殺人容疑で送検=の自宅から押収したサバイバルナイフから検出された血液を県警が鑑定したところ、複数の被害者のDNA型と一致したことが30日までに、捜査関係者への取材で分かった。
押収したパソコンにインターネットでナイフを購入した履歴があったことも判明。県警は勾留期限の同日、近所の平野毅さん(82)と妻の恒子さん(79)を殺害したとして、平野容疑者を殺人容疑で再逮捕する方針だ。
捜査関係者によると、ネット上で被害者らを中傷する際に使ったとみられるデータがパソコンに残っていた。
平野容疑者は「裁判で明らかにする」と事件について黙秘する一方で、意味が分からない話をしていることから、神戸地検は再逮捕後に刑事責任能力を調べる精神鑑定をする方針。
捜査関係者によると、9日午前5時ごろ、自宅にいた毅さん夫婦を刃物で刺すなどして殺害した疑いがある。2人はベッドで倒れており、当時就寝中だったとみられる。
2人には胸を中心に約30カ所の刺し傷や切り傷があった。傷痕はいずれも、押収したナイフの刃の形と矛盾がなかった。
平野容疑者は近所の平野浩之さん(62)ら親子3人を殺害したとして、殺人容疑で10日に送検されていた。〔共同〕