【NQNニューヨーク=横内理恵】1日のニューヨーク外国為替市場で円相場は上昇し、前日比35銭円高・ドル安の1ドル=119円70~80銭で取引を終えた。雇用関連などの米経済指標が市場予想を下回り、足元の景気に対する不透明感が浮上。米長期金利が低下したこともあり、日米金利差の縮小を手がかりとした円買い・ドル売りにつながった。
米民間雇用サービス会社オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)が発表した3月の全米雇用リポートでは非農業部門の雇用者数(政府部門除く)が前月比18万9000人増と、22万5000人増との市場予想に届かなかった。3日の政府の雇用統計でも雇用者数の伸びが低調になるとの観測につながった。
3月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数も51.5と市場予想以上に低下した。天候など一時要因が影響した可能性を指摘する声が多いものの、米景気の成長が鈍化するとの懸念につながった。米債券市場では10年債利回りが1.9%を下回る水準に低下し、米国と各国との利回り格差が縮小したことが幅広い通貨に対するドルの売りを誘った。
この日の円の高値は119円43銭。安値は120円23銭だった。
円は対ユーロで小幅に続伸し、前日比10銭円高・ユーロ安の1ユーロ=128円80~90銭で取引を終えた。対ドルで円が買われた流れが対ユーロにも波及した。
ユーロは対ドルで3営業日ぶりに反発し、前日比0.0025ドル高い1ユーロ=1.0755~65ドルで終えた。円の対ドル相場と同様、米指標が市場予想を下回ったことがユーロ買い・ドル売りを誘った。
ユーロの高値は1.0800ドル、安値は1.0727ドルだった。