観光客や地域住民向けに阿寒湖温泉(釧路市)を無料で循環するバスが1日、サービスを始め、現地で安全祈願の儀式を開いた。釧路市が同日から引き上げた入湯税を財源とする街づくりの第1弾。NPO法人阿寒観光協会まちづくり推進機構が主体となる。宿泊客が地元店舗などでサービスを受けられるコインの配布も始めた。
まりも家族バス「まりむ号」は朝7時から、夜は阿寒湖アイヌシアター「イコロ」の演目が終了する午後9時ごろまで、1日14便程度運行する。温泉街を30分間隔で20分程度で周回し、夏季は滝見橋など景勝ポイントにも寄る計画。28日まではレンタカーを使い、29日の阿寒湖水開き以後は協会が購入した専用バスを使用する。
「まりも家族コイン」は14のホテルなどが宿泊者1人1泊につき1枚配る。協賛する約30の店などで利用でき、アイヌ衣装の写真撮影、お茶のサービスなど各店独自のおもてなしを受けられる。
また、同温泉内のアイヌコタン(集落)は夏と秋に実施しているイベント「イオマンテの火まつり」が好評なため、今年から春(4~6月)も上演する。
協会は温泉街循環無料バスとコインをおもてなし事業と位置づけ、今後は入湯税を活用した街の景観整備にも取り組む。