確定拠出年金は日本版401Kとも呼ばれ、2001年に鳴り物入りで始まった。高齢者の増加で目減りする公的年金給付を補う仕組みだが、加入に手間がかかるのが難点で、使い勝手は良くない。
「手続きが煩雑でやめた」。確定拠出年金の対象拡大を受け、加入を検討していた東京都内に住む30代男性はこう話す。例えば、規制により大半の銀行窓口では勧誘や加入の手続きができない。加入したい人は確定拠出年金の運営管理機関に申し込むなどの複雑な手続きが必要になる。
現在の制度で、個人型の確定拠出年金を利用する人は18万人にとどまる。もともと、税負担が軽いお得な制度だが、その利点が生きていない。使い勝手を良くする制度改革が急務になりそうだ。