秋田県由利本荘市の民芸品「本荘ごてんまり」を伝承する地元女性たちが直径2.16メートル、重さ約440キロの巨大なまりを制作した。世界一大きな手まりとして、4月中にもギネス記録の認定を申請する予定。「地元文化を『大きく』アピールしたい」と期待を掛ける。
作ったのは由利本荘市民工芸技能協会の会長、阿部登志子さん(71)や会員ら計30人。2年前、酒席での会話をきっかけに阿部さんが企画をスタート。自宅車庫を作業場にし、昨年6月から半年ほどかけて完成させた。
通常はもみ殻を入れた球形の芯に、縫い針と手芸用の糸で刺しゅうを施していくが、今回は毛糸と「針穴」を開けた菜箸を代用。色とりどりの花火の模様に仕上げた。
本荘ごてんまりは江戸時代後期の記録に初めて登場し、左右と下部の三方に房を付け、つるす飾り物に仕立てている。手作りできる人が年々少なくなっているといい、阿部さんは「ギネス申請を通じて、まりに親しむ人をもっと増やしたい」と話している。〔共同〕