JR北海道は4日、北海道と青森県を結ぶ青函トンネルで発煙を起こした特急スーパー白鳥34号(6両編成)の車両を北海道函館市の函館運輸所に移した。JR北海道は5号車の床下にあるモーターに送電する配線に過電流が発生し、被膜が焦げたのが原因とみており、運輸所で車両を詳しく調べている。同型車両34両の緊急点検も始めた。
運転を見合わせていた海峡線は同日朝から、木古内(北海道木古内町)―津軽今別(青森県今別町)の上下線で運転を再開した。
西野史尚副社長は4日未明に札幌市の本社で記者会見し「乗客のみなさまに不快な思いをさせた。大変申し訳ありません」と陳謝したが「乗客の避難誘導は手順に従った」とも述べた。
JR北海道によると、発煙した列車は午前4時15分ごろに自力運行を開始し、同50分ごろにトンネル外の青森県外ケ浜町の新中小国信号場に到着。同社と国土交通省東北運輸局の担当者らが目視で点検した。
函館から新青森に向かっていた特急で3日午後5時15分ごろ発煙し、昨年3月に廃止された旧竜飛海底駅(外ケ浜町)の約1キロ先に緊急停車。車内にも煙が流れ込み、乗客124人は車外に出て旧竜飛海底駅から地上に脱出した。うち2人が体調不良を訴えて病院に搬送された。
3日から4日にかけ、海峡線は発煙した特急列車を含む上下計10本が運休した。4、5日の上野と札幌を結ぶ寝台特急北斗星は、運転見合わせが決まった。〔共同〕