福岡市博多区の安部整形外科で2013年に10人が死亡した火災で、業務上過失致死傷容疑で書類送検され不起訴処分となった男性院長(49)が14日、弁護士を通じてコメントを公表した。全文は次の通り。
10人死亡の整形外科火災、院長を不起訴 福岡
検察庁が不起訴の処分をされたということを弁護人からの連絡で知りました。
火事から約3年5カ月が経ちましたが、私が院長を務めていた医院から出火し、8人の患者様と両親の尊い命を失わせ、5人の方々におけがをさせてしまったという事実は、今も私の中に深く、大きな悔恨と悲しみを刻みつけています。
お亡くなりになった患者様とご遺族の方々には、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
父の代から有床診療所を開設し、地域の皆さま、入院が必要な患者様を受け入れ、父も、そして医院を受け継いだ私も、日々懸命に地域医療に努力してきたつもりでしたが、今回の火事により人命に対する甚大な被害を出してしまい、皆さまからの信頼も失ってしまいました。
火事が起きて以来、有床診療所を経営する者として、どうすべきであったのか、どうすれぱ今回の火事を防ぐことが出来たのか、ずっと自分に問いかけている毎日です。
現在は、地域の方々からご要望をいただき、小さいながら医院を再開して患者様の治療に務めておりますが、今後私ができることは、被害に遭われた方々のことを思い続け、死ぬまでこの場所で地域医療にこの身を捧げるとともに、このような悲惨な事故が二度と起きないようにするためにはどうしたらよいかということを一生懸命考え続け、再発防止のための活動に微力を注ぐことよりほかにないと考えています。