5日午前11時ごろ、徳島空港(徳島県松茂町)に着陸しようとした羽田発の日航455便ボーイング767が滑走路上で作業中の車両を発見、着陸を中断し、やり直すトラブルがあった。管制を担当する海上自衛隊徳島教育航空群によると、管制官が車両に無線で退避を指示するのを忘れ、着陸許可を出していた。乗客59人、乗員8人にけがはなかった。
国土交通省によると、日航機は、主翼の付け根付近の「主脚」のタイヤがいったん滑走路に接地した後、再上昇した。タイヤが接地した際、滑走路上にいた作業車両との距離は1000~1500メートルだった。副操縦士が気付き、機長に伝えた。
同省は5日、事故につながりかねない「重大インシデント」と認定。運輸安全委員会は6日に航空事故調査官2人を同空港へ派遣すると決めた。
同航空群によると、滑走路上で距離を示すランプの交換作業を民間業者に委託し実施中だった。
日航機は約30分後に着陸。日航によると風の変化のため2回目もやり直し、3回目で無事着陸した。機体に損傷はなく、到着後、運航を続けた。
航空群の久保内修一司令は「一歩間違えば重大な事故につながるミスで極めて遺憾。原因の究明と再発防止に努める」とのコメントを出した。
徳島空港は海自が管理運営。滑走路は1本で、民間機と共用している。〔共同〕