【バンコク＝小谷洋司】タイのプラユット暫定首相は８日、首都バンコクでロシアのメドベージェフ首相と会談し、2016年に両国間の貿易額を100億ドル（約１兆2000億円）に増やす目標で合意した。14年（約49億ドル）の２倍にあたる。両首相はエネルギー、観光、文化交流など５分野での関係強化についての覚書も交わした。

プラユット暫定首相は共同会見で「（ロシアに）ゴム、米、豚肉など農産物の輸入促進を要請した」と話し、14年に約25億ドルだった対ロ貿易赤字の縮小につなげる考えを示した。ロシア首相のタイ公式訪問は25年ぶり。

ロシアは先にベトナムと自由貿易協定（ＦＴＡ）の締結で合意するなど東南アジア諸国との関係強化に動いている。タイの軍事政権は中国に加えロシアにも接近することで、自らと距離を置く米国に揺さぶりをかける狙いもあるとみられる。