東京商工リサーチが８日発表した３月の企業倒産件数（負債総額1000万円以上）は、前年同月比６％増の859件だった。2014年９月以来、６カ月ぶりに増加に転じた。原材料の値上げに伴う仕入れ価格の上昇で、流通関連の倒産増加が目立った。もっとも金融機関が中小企業の返済計画の変更要請に応じていることや、公共工事が前倒しで発注されたことなどが支えとなり、３月としては過去20年間で２番目に少ない件数だった。

産業別にみると、全10業種のうち５業種で倒産件数が前年同月を上回った。卸売業は140社と２カ月連続で増加した。そのほか、小売業や運輸業の増加が目立った。一方、製造業は20カ月連続、建設業は９カ月連続で前年同月を下回った。

負債総額は前年同月比91％増の2236億3100万円と、２カ月連続で前年同月を上回った。負債１億円未満の小規模企業が全体の約７割を占めた。ただ、３月としては過去20年間で３番目に少ない水準だった。〔日経ＱＵＩＣＫニュース（ＮＱＮ）〕