9日午前の東京外国為替市場で円相場は続落して始まった後、下げ幅をやや広げた。10時時点では1ドル=120円30~33銭近辺と前日17時時点に比べ45銭の円安・ドル高水準で推移している。9時40分すぎにこの日の安値となる120円38銭近辺を付けた。日経平均株価が15年ぶりの2万円台に迫る堅調な推移を見せており、低リスクとされる円の売りが優勢になった。10時前の中値決済については「ドルが不足していた」(国内銀行)といい、国内輸入企業などの円売り・ドル買いが優勢だったことも円を押し下げたようだ。
財務省が8時50分に発表した週間の対外及び対内証券売買契約などの状況(指定報告機関ベース)では、3月29日~4月4日の国内投資家の海外の中長期債の売越額が3兆735億円と、現行方式で統計を始めた2005年1月以降で最大だった。ただ、市場では「新年度入り後の益出しの売りで一時的な動き」との受け止めが多く、特に材料視されなかった。
円は対ユーロで続伸後、小幅な動きとなっている。10時時点では1ユーロ=129円49~52銭近辺と同77銭の円高・ユーロ安水準で推移している。
ユーロは対ドルで下げ幅を広げた。10時時点では1ユーロ=1.0762~65ドル近辺と同0.0106ドルのユーロ安・ドル高水準で推移している。対円でのドル高が対ユーロにも波及し、ユーロ安・ドル高が進んだ。〔日経QUICKニュース(NQN)〕