【ニューヨーク=清水石珠実】世界の音楽ソフト販売でインターネットなどを通じたデジタル販売が、CDやレコードなどの売上高を2014年に初めて通年で上回ったことが分かった。国際レコード産業連盟(IFPI)が14日、明らかにした。14年のデジタル販売の売上高は前年比7%増の68億5千万ドル(約8170億円)。CDやレコードなどの売上高は同8%減の68億2千万ドルだった。
デジタル販売の売り上げ増をけん引したのは、定額聴き放題の音楽サービスの普及。14年は4割近く伸びた。欧米では、欧州発の「スポティファイ」や米アップル傘下の「ビーツ・ミュージック」などが若者を中心に人気を集めている。月額10ドル程度で聴き放題になる点が受けている。
デジタル販売の売上高の内訳をみると、依然としてアップルの「iTunes(アイチューンズ)」のような楽曲単位で購入するダウンロード型が5割超を占める。ただ前年比で8%減と縮小傾向にある。
14年の世界の音楽ソフト市場全体の売上高は0.4%減の149億7千万ドルと、13年の同4%減よりもマイナス幅が縮小した。一方、日本の音楽ソフト販売は14年に同6%減少した。定額聴き放題サービスの普及が遅れている日本では、CDやレコード販売が全体の8割近くを占めている。