トヨタ自動車は16日、高級ブランド「レクサス」の最上級クーペ「LC」を発売した。SUV(スポーツ用多目的車)の充実で販売好調なレクサスが、手薄だったパーソナルクーペの拡充でさらなるブランド力強化を図る。
LCは後輪駆動の4人乗り2ドアクーペ。走行性能にこだわったという新設計プラットホームに、長いホイールベースを生かした低く伸びやかなプロポーションのボディーをまとう。エンジンは、5リッターV8と3・5リッターV6ハイブリッド(HV)の2種。同社初の10速オートマチック・トランスミッションを採用し、静かでなめらかな乗り味を売りにする。昨年1月以来、欧米の国際自動車ショーで相次いでお披露目。満を持しての販売となった。
高級車の売れ筋がSUVに移ってからも、大排気量の大型クーペは欧米の富裕層に一定の支持がある。メルセデス・ベンツSLやマセラティ・グランツーリスモなどは、ブランドのイメージリーダーとして憧れの対象になっている。
レクサスにもかつて、500台限定生産のV10搭載スーパーカーLFA、国内では4代目トヨタ・ソアラとしても知られるSCなどのクーペモデルがあったが、現在はDセグメントセダンISの兄弟モデル「RC」があるのみ。最上級のLC投入で、世界的ブランドとしてレクサスをさらに浸透させたい考えだ。
東京・お台場でこの日あった発表会で、レクサス部門責任者の福市得雄専務役員は「我々の新しい時代の始まりを象徴するモデル」とPR。売れ行きに自信を見せた。
価格は税込み1300万~1450万円。ガソリン車は4月に発売予定。海外市場には5月から順次投入される。世界で月間550台の販売を目指す。(北林慎也)