「出没!アド街ック天国」など人気番組の司会者を長く務め、「キンキン」の愛称で親しまれた俳優でタレントの愛川欽也(あいかわ・きんや、本名=井川敏明=いがわ・としあき)さんが15日午前5時11分、肺がんのため東京都内の自宅で死去した。80歳だった。葬儀は近親者のみで行った。喪主は妻でタレントのうつみ宮土理さん。
事務所の「愛川企画室」によると、昨年冬に体調不安を訴え、肺がんと判明。自宅で治療を続けていたが、容体が急変した。事務所は17日、「息を引き取る直前まで『仕事に行こう』と寝言のように申しておりました」とのコメントを公表した。
東京生まれ。俳優座養成所を経て声優として活動し、1970年代にラジオ番組の司会者として注目された。テレビの深夜番組「11PM」、クイズ番組「なるほど!ザ・ワールド」など人気番組の司会を長年務めた。
テレビ東京系の情報番組「出没!アド街ック天国」では95年の放送開始から20年にわたって司会を担当。「あなたの街の宣伝本部長」を名乗り、「おまっとさんでした」のセリフで愛された。今年3月、通算1千回目の放送を最後に降板した。
俳優としても幅広く活躍し、75年から公開された映画「トラック野郎」シリーズで故菅原文太さんの相棒役「やもめのジョナサン」役を好演した。監督・主演を務めた映画「さよならモロッコ」やテレビドラマなど多くの作品にも出演した。
2000年には後輩の俳優とともに「劇団キンキン塾」を結成し、自身が都内で運営する小劇場「キンケロ・シアター」を拠点に舞台制作を続けた。