22日の東京株式市場で日経平均株価/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E3EBE2E4EBE2E3E5E2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NXは2万133円90銭で引け、2000年4月14日以来15年ぶりに2万円の大台を回復した。10日の取引時間中に2万円を上回ってから8営業日。終値での達成はいつかと気をもむ関係者も少なくなかっただけに、22日の東京・兜町は再び緊張と熱気に包まれた。兜町での証券マンらの声から1日を振り返った。
野村証券のディーリングルームは15時の取引終了とともに拍手がこだました(東京・大手町)
8時32分 東京・日本橋の三木証券本店
同店の朝礼で本店営業部の柳沢克臣部長は「日経平均先物6月物は米シカゴの取引で2万円を超えている。東京でも付けてくるのではないか」とあいさつ。営業担当者に発破をかけた。
9時 東京・日本橋の兜神社
2万円回復を祈願する証券関係者の姿は皆無。海外市場での日経平均先物の動向を受け、営業マンは顧客への電話攻勢を始めているようだ。
12時10分 東京・兜町の飲食街
中堅証券会社の男性営業部長(61)は、「動きが鈍かった銀行など金融株の取引が活発だ。今回は間違いなく安定して2万円台を推移するのではないか」と安心した様子。10日に一時2万円を上回ってからは個人投資家の間で様子見ムードが強かった。ただ前日から風向きが変わったという。顧客に電話すると「(推奨銘柄について)詳しく知りたい」との返答が返ってくるようになった。昼食はとんかつ定食を注文。「精力をつけて午後の営業活動につなげたい」と足早に会社に戻っていった。
兜町内にある喫茶店で休憩していた、別の中堅証券会社の法務部門で働く男性会社員(34)にとって、日経平均が2万円台をつけるのは入社以来初。08年のリーマン・ショックや11年の東日本大震災など相場が落ち込む局面で社内に暗い雰囲気が漂う光景が記憶に残る。だが、きょうは「朝からみんな明るい表情だ」という。「今の相場で株のディーラーをやっていれば」と悔しそうな様子だった。
午後3時 東京・大手町の野村証券のトレーディングフロア
顧客の注文を受けて各自のデスクの情報端末をにらみながら静かに株の売買を手掛けるトレーダーら約500人が取引終了を迎えた。終値が2万円台だったことが場内にアナウンスされると、一斉に拍手が起きた。場内には仲間同士、安堵したような笑顔で話し合う光景がみられた。
〔日経QUICKニュース(NQN)後藤宏光、石川隆彦〕