24日の東京外国為替市場で円相場は反発した。17時時点では1ドル=119円24~27銭近辺と、前日23日の同時点に比べ63銭の円高・ドル安水準で推移している。15時50分すぎに119円15銭近辺まで上げ幅を広げた。前日発表の米経済指標がさえない結果だったことを受け、円買い・ドル売りが先行した。15時すぎには欧州の市場参加者から対ユーロでドル売りが膨らみ、それにつられる格好で損失覚悟の円買い・ドル売り注文が増えた。
日経平均株価が下げ歩調を強めた局面では、相対的に低リスクとされる円を買う動きが進んだ。10時前の中値決済では国内輸入企業の円売り・ドル買いが出た一方、輸出企業の円買いも入ったため、円の下値余地は広がらなかった。
日銀の中曽宏副総裁が24日昼すぎ、東京都内での講演で述べた内容は新味に乏しいとして特に材料視されなかった。9~17時の円の安値は1ドル=119円63銭近辺で値幅は48銭程度。
円はユーロに対しては大幅反落した。17時時点では前日の17時時点に比べ1円73銭円安・ユーロ高の1ユーロ=129円79~83銭近辺で推移している。一時129円93銭近辺と8日以来、約2週間ぶりの安値を付けた。対ドルでのユーロ高が波及し円安・ユーロ高に振れやすくなった。ここ数日、欧州連合(EU)内でギリシャ支援を巡る話し合いが続いていると伝わり、「ギリシャ懸念が後退してユーロ買いにつながった」との指摘もある。さらに日本時間17時に発表された4月のドイツのIfo企業景況感指数が市場予想を上回り、ユーロ買いを誘った。
ユーロはドルに対し急反発した。17時時点では同0.0201ドルユーロ高・ドル安の1ユーロ=1.0884~87ドル近辺だった。16時すぎに7日以来となる1.0898ドル近辺まで値を伸ばした。米経済指標を受けたドル売りが優勢だった。Ifo指数を材料にユーロを買う動きもみられた。〔日経QUICKニュース(NQN)〕