文化庁が24日に初認定した「日本遺産」に「四国遍路」が選ばれた。四国4県と関係57市町村が共同で申請し、今回認定された18件のうちで唯一、地域ブロック全体が対象となった。各県の知事や旅行会社などからは今後の観光振興や世界遺産登録に向けた活動の後押しとなることを期待する声が相次いだ。
4県で最も多い26の札所がある愛媛県の中村時広知事は「四国遍路は時代を超えて受け継がれてきた世界に誇る財産。世界遺産登録に向けた取り組みの弾みになる」とコメントを出した。香川県の浜田恵造知事も「日本を代表する巡礼文化として評価されたことは喜ばしい」とするなど各県の知事が認定を歓迎した。
四国の産学官は2020年までの世界遺産登録に向けて16年度の暫定リスト入りを目指し、さまざまな取り組みを始めている。日本有数の文化資産と国のお墨付きを得たことで、そうした活動に好影響が出ることへの期待は大きい。国の補助を得た沿道などの整備も見込める。
昨年の霊場開創1200年に続いて注目を集めることで「国内外からの旅行者が増えるのでは」(高松市のお遍路ツアー専門の旅行会社)と、観光業界は集客への波及効果を見込んでいる。