28日午前の東京外国為替市場で、円相場は3日続伸した。12時時点では1ドル=119円06~09銭近辺と前日17時時点に比べ14銭の円高・ドル安水準で推移している。29日に発表予定の1~3月期の米国内総生産(GDP)速報値が米経済成長の鈍化を示す内容になるとの観測で円買い・ドル売りが優勢だった前日の海外市場の流れを引き継いだ。
ただ、東京市場の取引時間帯で、円は伸び悩む展開となった。10時前の中値決済については「輸入企業の円売り・ドル買いが優勢だった」(国内銀行)との見方があった。一部の市場参加者からは、日経平均株価が堅調に推移したことも円売りを誘ったとの声が聞かれた。
9~12時の円の高値は119円03銭近辺、安値は119円20銭近辺で、値幅は17銭程度だった。
円は対ユーロで小幅に反落した。12時時点では1ユーロ=129円49~54銭近辺と同8銭の円安・ユーロ高水準で推移している。対ドルでのユーロ高が対円に波及し、円安・ユーロ高が進んだ。ただ、新規の取引材料は乏しく、持ち高を一方向に傾ける動きはみられなかった。
ユーロは対ドルで反発した。12時時点では1ユーロ=1.0874~77ドル近辺と同0.0019ドルのユーロ高・ドル安水準で推移している。米景気回復が遅れるとの観測によるドル安が対ユーロでも進んだ。ギリシャ政府が27日、欧州連合(EU)と同国で進む資本支援交渉で、バルファキス財務相が主導していた交渉チームを刷新したと伝わったことも、引き続きユーロの支えとして意識された。〔日経QUICKニュース(NQN)〕