【バクー(アゼルバイジャン東部)=中村亮】麻生太郎副総理・財務相は4日、アジア開発銀行(ADB)年次総会で演説した。ADBが新興国で民間企業への支援をいっそう拡大するために「大胆な組織改革を実施し、職員や運営の資金源を確保する必要がある」と述べた。
総会では、2017年の総会の開催地を横浜市に正式決定した。日本で開くのは京都市で開いた07年以来10年ぶり5回目。麻生氏は「アジアとADBの未来を議論するのに最適な場所」と述べ、ADB改革を引き続き議題に取り上げていく考えを示した。
麻生氏は高効率の石炭火力発電や新幹線といった日本が得意とする技術やノウハウの輸出を通じてインフラ整備を加速する考えを表明。「良質なインフラは初期投資が高くても長い目でみれば受益国の国民負担の軽減と開発効果の向上につながる」と述べた。
ADBが融資枠を大幅に増やすために決めた基金改革は「開発金融機関の歴史上で最も革新的」と支持した。