気象庁は5日、箱根山(神奈川県箱根町)で早朝から火山性地震が急増し、午前8時までに85回を観測したと発表した。このうち午前6時台に観測した2回については、体に感じる震度1の地震で、箱根山付近を震源としていた。
気象庁は、箱根山の火山活動がやや高まった状態で推移していると分析。大涌谷付近で小規模な蒸気の噴出が突発的に起きる恐れがあるとして、立ち入りが禁止された地域に近づかないように呼び掛けている。
4月26日から増加傾向になった箱根山の火山性地震は、5月1日に2回へ減少。その後、2日に37回、3日に36回、4日に34回と推移したが、5日午前5時以降から急増し、午前8時までに85回となった。
震度1の地震は午前6時22分ごろと、午前6時56分ごろに発生。震源はいずれも箱根山付近で、震源の深さは約10キロ。地震の規模のマグニチュード(M)は2.0と2.4だった。
3日から蒸気噴出が確認されている大涌谷付近は、地下の浅い部分で熱水の活動が不安定な状態が継続。地震に関連するとみられるわずかな地殻の変動も続いている。箱根町は4日から、大涌谷付近の遊歩道やハイキングコースへの立ち入りを規制している。〔共同〕