【フランクフルト=加藤貴行】欧州ソフトウエア最大手、独SAPのビル・マクダーモット最高経営責任者(CEO)は5日、マーケティング支援大手の米セールスフォース・ドットコムの買収交渉の報道に関し、「全く関心がない」と述べ否定した。米フロリダ州での自社のイベントで明らかにした。ロイター通信などが報じた。
同CEOはセールスフォースについて「当社の買収基準を満たすほどの技術的な独自性がない」と述べた。両社はクラウドによる顧客管理で競合関係にある。米ブルームバーグが4月末、SAPによるセールスフォース買収の可能性を報じていた。
SAPは企業の財務、人事、生産などを網羅する統合基幹業務システム(ERP)の最大手。クラウド強化の一環で積極的に大型買収をしている。昨年にはクラウドで出張・経費管理サービスを提供する米コンカーテクノロジーズを83億ドル(約9960億円)で買収することを決めている。