【カトマンズ=共同】ネパール大地震で現地派遣された自衛隊の医療援助隊の活動を、ネパール人の日本語教師が支えている。ボランティアとして、診療に訪れる被災者と医官のやりとりを通訳。自らも被災しながら、「大変なときこそ、両国の懸け橋になりたい」と援助隊の診療所に連日通っている。
援助隊は、首都カトマンズで公園など2カ所にテントを張り、1日から活動を開始。連日100人以上が外傷や感染症などの治療のため、訪れている。カトマンズの日本語学校で教師を務める女性ラザナ・カダギさん(37)は2日から、ネパール語と流ちょうな日本語で患者と医官の間をつないでいる。
カダギさんのオフィスや自宅も地震で被害が出たが、「せっかく日本語ができるので、役立てたかった」と在ネパール日本大使館からの通訳依頼を快諾。他の日本語教師にもボランティアの輪が広がり、10人以上が交代で診療所の通訳を務めるようになった。ネパールでは日本語の学習熱が高いといい、ネパール人教師も多い。
援助隊で活動する陸上自衛隊東部方面衛生隊の中村麻里医官(29)は「文化の違いがある中で、患者にこちらの意図が的確に伝わる」と話し、カダギさんらに信頼を寄せていた。